新宿駅東口で待ち合わせて歌舞伎町のラブホテル街へ行きました。

2015/10/07
16:27

その日は薄曇りで肌寒い空気。
新宿駅東口で16時に、由美さんと待ち合わせしてました。
私は虚偽の営業日報を記載してから早めに新宿駅に。
東口方面の改札を出て階段を上がると、そこはアルタ前広場でした。

アルタ前広場は、制服姿だったり学生風だったりの若年層が目立ちます。
久しぶりの新宿の空気を吸い、しばらく人通りを見てました。

ミニスカートに網タイツの熟女が、ハイヒールの音をガシャンガシャンとさせて歩いていきます。
自分でブリーチしたような金髪の熟女が、ピンク色のクロックスのサンダル引きずりながら歩いてます。
極端に痩せた体型で、全体的にピンクの服装をした熟女がとぼとぼと歩いてます。
こんな感じの熟女でも15年前は、すかさず追っかけていって声をかけたものです。

若造りをした真新しい服装がどこかチグハグで、ヒールだけがボロボロの熟女が歌舞伎町方面に向います。
やっぱりナンパのときは、服装や足元って見てるかもしれないと気がつきました。
女性は周囲との人間関係の中でおしゃれをしていきます。
見よう見まねのメイクや着こなしだと、どこかチグハグになってしまいます。
服は買ってからすぐに着飾れますが、足元は普段から慣らしておかないと、やはりチグハグになります。

待ち合わせ場所の、新宿駅東口交番前の鉄柵に腰掛けました。
交番の脇では、ボサボサの金髪ロングヘアーでヒョウ柄バックの女性が、しゃがみこんで大声を出してます
彼氏だろうと思われる、傍らに立つ男性と口論をしてます。
治まりそうにない勢いは、危険ドラックでもやっているからなのでしょうか？
交番前には気合が入り気味の警官が5人ほど立ってますが、気にも留めてません。
新宿以外ではあまり見かけない光景です。

若い頃は好きだった新宿の雑な騒々しさが、今は気が滅入るだけです。
そうこうしてるうちに、ペコリと頭を下げながらやってくる由美さんの姿が。
今日はなんだか小柄に見えるのは、日傘を差してないからかも。
手を上げて挨拶すると、由美さんは明るく笑顔を見せました。
今回はラブホテルで、写真と動画を撮ることになってました。

「由美ちゃん。今日は駅の中で迷わなかったね」
「ええ」
「ホテルは、ここから歩いて10分くらいかな？」
「はい。・・・坂本さんは、そんな薄着で寒くないんですか？」
「うん。ちょうどいいね。オレ、暑がりだから」
「わたしなんて、ヒートテックを3枚重ねですよ」
「へえ」
「もう、寒いのが苦手で」
「そうなんだ。・・・冷え性なのかな？」
「冷え性とは違うと思います」
「そう？」
「血流ではなくて、体幹がおかしいんだと思います」
「そう。・・・漢方とかいいんじゃない？」
「いえ、体幹は神経なんで漢方だとダメだと思います」
「そっか。・・・あ、写真撮るかな」

・・・・・　でた！
さっそく訂正！
さすが国立大卒！

途中のコンビニで飲み物を買いました。
由美さんの分も手に取って一緒にレジに出すと、礼儀正しくお礼を言います。
私がTポイントカードを出さないのを見ると、自身のカードを財布から取り出して加算してました。
端数の3円を出してくれるとこなど、ときどき可愛いなとは思わせます。

「じゃ、こっち通っていこう」
「はい」

靖国通りを渡り区役所通りに入るその脇には緑道があります。
新宿駅東口から歌舞伎町2丁目のラブホテル街に向うには、うってつけのルートです。
夜は騒がしさがなく暗がりを歩けるので、ホテル直行専用道路ではないのかと思うほど。
久しぶりにこのホテル直行ルートを使いました。
私は勝手に電車道と呼んでましたが、正式には「新宿遊歩道公園四季の道」という名称です。

「ここね、ずっと前は路面電車が走っていたんだって」
「そうなんですか」
「うん、もう50年とか60年の昔じゃない」
「ふーん」
「でね今の季節、トンボも飛んでいるんだよ」
「そうなんですか」
「うん。そこにホテルあるでしょ？その上から見ると、トンボが木の上あたりをグルグル回ってるの」
「へえ」
「びっくりでしょ？新宿駅から5分のとこにトンボがたくさん飛んでいるんだよ」
「びっくりです」
「じゃ、ちょっと後ろ姿の写真を撮ろうかな。・・・先に歩いてみて」
「ええ」

四季の道を進むと、中ほど右手には新宿ゴールデン街。
左手にはストリップ劇場の新宿ニューアート。
歌舞伎町に3件あるストリップ劇場の一角です。

程なくして緑道はここの四つ角に接続します。
左にいけば、ラブホテルが道沿いにざっと20件、奥まで含めると40件ほど。
後ろに300メートルで、歌舞伎町の発砲事件現場としてちょいちょい登場していた風林会館。
かといって、この近辺はいかがわしいだけではありません。
目の前の信号の角には日清食品HD本社。
その裏手にはスクエアエニックス本社。
右手に200メートルで、吉本興業東京本社。
10年前まではライブドアの登記上の本店所在地も、ラブホテル街を抜けた場所にありました。

「どこにしようかな？」
「・・・」
「ここにしようか？」
「・・・はい」

前回のスナップ写真からは、由美さんから積極的にメールがきました。
ライブ配信はホテルだったらOKになりましたが、潔癖症のためシャワーを浴びてから。
私の好きな服を脱がす場面は配信できそうもなく、エロい雑談も盛り上がらないだろうなと思いました。

潔癖症もめんどくさくて持て余し気味になり、あえてほったらかしにしていたら電話をかけてきました。
ライブ配信でないと課金ができないから、写真や動画だけの謝礼は、おこめ券程度になると言いました。
謝礼はおこめ券でいいし、ホテルだったら潔癖症でもセックスはできると言う由美さん。
それでその日に待ち合わせになったのです。

～続く～