熟女を脱がすブログ

「でさ、由美ちゃん。どうして自宅がダメなの？」
「・・・」
「ひょっとして、オレが生理的にダメとか？」
「そうじゃないです」
「ああ、よかった。・・・だけどなんだろ？」
「人の家がちょっと苦手なんです。・・・人が触れたものとか」
「はいはい。潔癖症ってヤツだ？」
「うーん」
「オレ、前みたよ、電車で。ゴム手袋してつり革につかまっている人。しかもおじさんだった」
「うーん。・・・そこまではいかないですけど」
「タレントでもね、1日に何回も洗濯する人とかいるよね」
「・・・」
「でも由美ちゃん。潔癖っていっても、この前さ、ホコリッぽい階段に座ったりしてたよね？」
「そういうのは大丈夫なんです」
「その辺りがよくわからないな。もっと、はっきり言ってもらっても大丈夫だよ」
「・・・」
「言ってもらわないとわからないし。遠慮しないで大丈夫だよ」
「・・・人が触ったものが苦手なんです」
「ああ。なるほどね」
「・・・」
「それは男とか女とか関係なく？」
「うん。・・・でもどちらかというと男の人のほうがちょっと」

「ふーん。いろいろ聞いちゃうけど、仕事のときは？」
「仕事のときですか？」
「うん。ファミレスとかピアノとか。みんな触るでしょ？」
「それは大丈夫です。・・・あのなんていうんですか」
「うん」
「他人が持っているものに、自分が触れるのがダメなんです」
「はあはあ。そっか。店だと皆が使うし、ピアノも皆で使うし。・・・だから大丈夫？」
「・・・」
「ホテルも皆で使うし。・・・だけど部屋は個人の場所だから気になるってこと？」
「・・・そんな感じです」
「なんとなくわかるようになってきた」
「・・・すみません」
「あやまることはないけど。やっぱ、話してくれないとわからないからさ」
「・・・」
「オレが、すごく不潔な人だと思われてるんだなって感じちゃって。・・・安心したよ」
「・・・」
「でさ、アレルギーで、じんましんができるとかじゃないでしょ？」
「そこまでは」
「呼吸がハアハアして、失神しちゃうとか？」
「ないです」
「救急車を呼ぶとかない？」
「ないです」
「じゃ、ぜんぜん大丈夫だよ。普通だよ。とりあえずいこ。財布も持たずにきちゃったから」
「・・・はい」

「じゃ、ここ座って」
「はい」
「どう？別にそんな汚くないでしょ？」
「ええ」
「これだったら大丈夫そう？」
「はい」
「あっ、なにか気になることあるでしょ？」
「・・・」
「言ってみて。遠慮なく」
「・・・髪の毛が」
「これか。・・・はい。取れた。髪の毛が気になるんだ」
「はい。すみません」
「いや、いいんだけど。・・・今日ね、晴れたでしょ？」
「・・・」
「最初も曇りだったり、この前も曇りだったし」
「そうですね」
「だから晴れの日に由美ちゃんの写真が撮れるって喜んでいたの」
「・・・」
「で、由美ちゃん、今日は下着姿を撮るよ」
「ここでですか？」
「うん」
「・・・ちょっと明るいです」
「じゃ、アイマスクしよう。・・・ちょっと手渡すところ撮るよ」
「・・・」
「じゃ、アイマスクして下着を撮ると」
「見えないのはちょっと」
「アイマスクしたからって、いきなり触ったりしないよ。ちゃんと声をかけるから」
「・・・」
「抱きついたりとか、無理やりなんてことはしないから」
「・・・はい」
「ムリだったら言って」
「・・・はい」

「じゃ、撮るよ。・・・下着や裸を鑑賞するのが目的だからね」
「裸ですか？」
「できればでいいよ」
「・・・」
「そうそうこれ。ほら、人妻鑑賞同好会。・・・ちょっと見せたところ撮るよ」
「はい」
「由美ちゃんは人妻じゃないけど、雰囲気がね、同好会として鑑賞したい」
「・・・」
「普段はインターネット配信もやって会員さんも見るんだけど、今日は写真だけでいくかな」
「・・・」
「由美ちゃん、この前もメールで言ったけど、インターネット配信のときは、会員さんが代金を払うのね」
「ええ」
「それを由美ちゃんに渡すから」
「・・・」
「どうする？今日、試しに配信してみる？」
「・・・今日はちょっと」
「じゃ、今日は写真撮って、それでメシいこうか？」
「はい」

自宅に上がった由美さんは、本人なりに気を使っているのがわかりました。
あまりに潔癖すぎるのも相手も困惑する、ということは自覚してるみたいです。
笑顔もなくなり口数が少なくなり、落ち着かない様子でベッドに座る由美さん。

ライブ配信への見切り発進はしたくてもできないです。
脱ぐ脱がない以前に、ベッドに髪が落ちてるのも気になるような潔癖さ。
やはり最初に写真を撮って慣らしてから、ライブ配信しかないかも。
いや、この様子だと、ライブ配信も掃除が行き届いたホテルからでないと無理です。

「じゃ、撮るよ。・・・メシなに食べようか？」
「うーん」
「食べれない物とかある？」
「うーん。なんでも食べれます」
「ああ、いいね。好き嫌いが多い人だとね。メシ食べる気がなくなるよね」
「・・・」
「じゃ、寿司いくか。おしゃれじゃないけど、昭和の寿司屋があるんだよ」
「お寿司ですか？」
「萎びた暖簾でさ、しかめっ面したオヤジがいてさ」
「・・・」
「ネタが余りそうだったら、おまけして出してくれんだよ。でさ、酒がいいのを置いてあるの」
「あの」
「うん」
「いくらとかウニとか。・・・魚卵がダメなんです」
「あっ、そう。・・・魚は？」
「大丈夫ですけど。・・・魚卵の匂いが」
「そっか。じゃ、寿司は却下かぁ。・・・とりあえず撮るか」

なんだか今日は、やること言うことが裏目になってます。
しかし誤解がないように補足すると、由美さんは私よりもずっと常識も良識もある女性です。
見た目も30代前半に見えるほどですし。
メールの文面も言葉遣いも丁寧。
黒髪はサラサラで、服装にも清潔感があります。
本人なりに気を使ってる様子を見ると、逆に私のほうがガサツなのかな、という感覚になってしまいます。

それにしても。
由美さんは外で写真を撮ったときは、明るくしゃぐように話してました。
自宅に上がりベッドに座った今は、口数が少なくなって空気がどんよりしてきました。

人の家だから落ち着かないのか。
緊張しているのか。
明るくて恥ずかしいのか。
どれも入り混じっているとは感じました。