熟女を脱がすブログ

その日の私は、新橋駅の汐留口を出て地下道に入り、日本テレビの前の地下広場に行きました。
ここ数年で整備されたと思われる、ピカピカな地下広場は明るい照明です。
電通四季劇場もあり、地下鉄の乗り換えもあり、ほどよく人通りがあります。

それほど熟女ナンパをしようとする気がないですが、ネックストラップを首にかけカメラをぶら下げました。
気持ちが切り替わる気がしたのは、融通がきかない真面目な性格的なものなのでしょうか？

・・・・・　よし！
やるか！

目配せして手を軽く上げた時点で、10人ほどの熟女は無視を決め込んだ素通り。
5人ほどは歩調を合わせてから近づいて声をかけて、そのうち足が止まり会話したのは2人でした。

足を止めさせてからは「ナンパです」から「写真を撮りたい」と話すように変更をしてます。
現状、結果としては感触は悪くないです。
しかし私の会話が詰まり気味で、その2人の熟女とも立ち去ってました。

・・・・・　もう少しテンポよく話さないとだな。
会話が転がらない。
流れが詰まっている。

さらに歩いている熟女に正面から目配せと手振りを続けました。
断りを前提にして、そこを突っ込みんでもダメなら次にいくという数と勢いのナンパ。
ひたすら正面突破あるのみの、特別なことはなにもない正攻法の営業的なナンパです。

広場で立ち止まっていると、前方から年のころ30代後半の熟女が。
肩にフワリともたれかかるセミロングの黒髪。
白黒のツートンのプリントのロングスカート。
フロントにはレースがあしらってある清潔感のある白いブラウス。
細い肩にはカーディガンを羽織ってます。

10メートル以上先から、こちらに向って歩いてきます。
まだ声が届く距離ではありませんが、目が合った瞬間に「どーも」と小さく手を上げました。

「こんにちわ」と歩調を合わせて近くに寄ると、目がこちらに向きました。
向いた目はネックストラップのカメラを見たのがわかります。
「突然、すみません」と続けながら、相手の視線と歩調に注意。
熟女の視線はこちらに向いたまま、歩調は緩んだのがわかりました。

「こんにちわ」
「・・・なんですか？」

もう1度の挨拶を声が届く距離になってから続けて、3歩ほど足を進めながらスピードを緩めました。
相手の返事と同時に、こちららが足を止めました。

・・・・・　あ！
これ！
足は止まるな！

こちらが足をゆっくりと止めると、やはり相手も足を止めました。
だけどここで近づきすぎると、女性は敏感な小動物みたいに逃げてしまいます。
背筋を伸ばして一呼吸置いて、相手が逃げない距離を確かめました。

「あのね」
「・・・」
「お姉さんの写真を撮りたいの」
「えっ・・・」
「もちろん心ばかりの謝礼もします」
「いいです、いいで・・・」
「いきなりですからね」
「いそが・・・」
「いま、帰り道ですもんね？」
「ええ・・・」
「ちゃんとお話だけ聞いてもらって、それからきっぱりと断りでもいいですし」
「・・・」
「なにがなんでもって訳じゃないです」
「・・・」
「断れるのは慣れてるんで」
「・・・」
「だって、このままだと変な人のままでしょ？」
「・・・だって、めちゃくちゃあやしいですよ」
「やっぱり。・・・もうそれもわかってます」
「フフッ・・・」

「いいです」「急いでるので」などの条件反射の断りを磨り潰します。
ここまでは発声練習をしたので自然にでてきてました。

足を完全に止めた熟女は、目尻のシワを浮かべてやんわりとした笑み。
ここから5分の間に相手の話を聞きながら、こちらの言いたいことは焦らずに伝えるという流れです。

「これから帰りですよね？」
「ええ。まあ」
「どうです？」
「なにがですか？」
「スナップ写真って」
「ダメです、ダメです、」
「あのね、なんでこんなにも撮りたいって、一生懸命なのかっていうと」
「ええ・・・」
「お姉さんが、すごい魅力がありますんで」
「キャハハッ」
「ほんとに。でないと僕もチカラが入らない」
「キャハハッ」

広げた手を口元に当てて声を出して笑うと、目元が人懐こそうにフニッとなりました。
少しばかり派手なマスカラの目元と、思い切り明るく笑うのが似合ってます。
指の結婚指輪が目に入ると同時に、私は病的にチカラが入りました。